現在の社会とM&Aの関係

M&Aはもともと海外で生まれた制度ですが、2010年代現在の日本でも活発になってきています。
その理由のひとつが、少子化に伴う消費者層の減少であります。
日本の人口は2004年には1億2000万人でしたが、国土交通省の見込みによると2050年には1億人を下回るとされています。
つまり、25%もの消費者層の減少につながるわけです。
また、生産年齢人口に着目すると、40%近くが減少することになるわけです。
このために、各企業はスリム化、また多角化を図るためにM&Aを頻繁に行うようになってきています。

そしてもう一つの理由として、後継者不足という問題があります。
少子化に加え、中小企業になると、経営者は様々な理由で後継者に頭を悩ませている例が多くあります。
子供がいなかったり娘が嫁いでしまった場合、子供が大手企業の重役などに就いてしまった場合、世界的な不況を考えると経営者たるにふさわしい人材がいない場合など、理由も様々です。
後継者問題にかかわって、M&Aの事例が増えることがあります。
つまり、有能な経営者に株式譲渡を行って会社を存続させ、そして社員の生活を守るという選択なのです。
この不況の時代に会社を存続させるのはかなりの難問です。
社員として仕事ができる有能な人でも、経営者としてふさわしいとは限りません。
スポーツ選手でいえば、選手時代の実績は優れていても、監督や育成者として優れているとは限らないのです。
会社経営には財務の知識や統率力などが必要になります。
こうした状況から、優れた経営者に会社の株を譲渡し、会社を存続させ、経営者も利益を得るというシステムのM&Aが現在増えてきているのです。

この後継者問題に加えて、業界の先行き不安も大きな問題の一つとなっています。
大企業の再編に伴い、その下請けなどを行う中小企業は影響をもろに受けています。
大企業が生産拠点を海外に移すなどで仕事がなくなるため、それを防ぐためにM&Aを行って多角化を図ったり技術を高等なものにしたりなどで、シナジー効果が起きています。

アメリカやヨーロッパにおいては、会社の売買は常識的なものになり、「創業から何年で株式上場を行い、そしてM&Aを何年後に行って引退するか」という考え方をする経営者も一般的になってきているといいます。
M&Aで会社を購入する側は、その会社に魅力を感じるから購入するのです。
つまり、経営者の力量やその会社の実績がものをいいます。

日本のみならず世界が不況に包まれている中で、M&Aで解決されることは多く存在しています。